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オフショア開発

現地任せで失敗する前に!オフショア開発に必要なマネジメント設計とは

『オフショア開発を委託したはずが、納期遅延や品質低下』、『コミュニケーション不全に悩まされる』 など、その背景には「マネジメントの設計不足」があります。本記事では、国内PMやブリッジSEの役割、仕様の明確化、進捗可視化、リスク対策まで、「任せる」と「丸投げ」の違いを明らかにしながら、成功するオフショア開発のマネジメント設計を解説します

 

英語力ゼロから始めるオフショア開発

オフショア開発のマネジメントが難しい理由

オフショア開発においてマネジメントが難しいと感じる企業は少なくありません。実際、委託先との連携不足や文化の違いが原因で、想定通りに開発が進まず、手戻りや納期遅延が頻発するケースもあります。ここでは、マネジメントが難しくなる主な要因を3つに整理して解説します。

言語や文化の違いによる認識のズレ

オフショア開発では、現地エンジニアとのやりとりが英語または通訳を介して行われることが多く、日本的な“空気を読む”文化が通用しません。そのため、細かい仕様や意図を汲んでもらえないことが多く、「伝えたのに伝わっていない」という状況が生まれがちです。

仕様変更や優先順位変更に対応しづらい

国内開発であれば口頭での変更指示も可能ですが、オフショア開発ではドキュメントを通じた明文化が基本です。仕様変更や優先順位の入れ替えといった対応にラグが生じやすく、迅速な対応が難しくなる場合があります。これも、マネジメントの難易度を引き上げる一因です。

誰が責任を持つのか不明確な体制

委託側と受託側の役割分担が曖昧なまま開発がスタートすると、「誰が判断するのか」「誰が成果を検証するのか」が不明確になります。この構造は、マネジメントの混乱を招き、現地チームの士気低下にもつながります

成功のカギを握る!国内PMとブリッジSEの役割と連携

マネジメントの難しさを克服するには、適切な「国内マネジメント体制の設計」が不可欠です。特に重要なのが、国内PMとブリッジSEの役割の明確化とその連携です。

国内PMの責任範囲を明確にする

PM(プロジェクトマネージャー)は、スケジュール進行・仕様管理・品質確認の責任を担います。国内PMがこれらを包括的に把握し、意思決定の中心として機能することで、現地とのやりとりにも軸が生まれます。特に仕様凍結のタイミングやリリース可否の判断は、PMの統率力に左右されます

ブリッジSEは「翻訳者」ではなく「調整者」

ブリッジSEは単なる言語通訳ではなく、「要件の背景」や「意図」を翻訳する役割を担います。開発上の質問や仕様の解釈ズレを未然に防ぐうえで、非常に重要なポジションです。また、テスト結果の確認や不具合報告の精度にも関与し、品質担保の橋渡し役として機能します。

三者(国内PM・ブリッジSE・現地リーダー)の連携体制をつくる

オフショア開発を委託する際は、プロジェクトを3層構造でマネジメントすると安定します。

  • 国内PM:意思決定と責任の所在を担う

  • ブリッジSE:要件伝達と実務調整

  • 現地リーダー:進捗管理と現場統率

この構成により、伝達ミスや仕様ズレを最小限に抑えることができます。チーム間のSlackやGoogle Meetなどによる定期連絡の仕組み化も忘れてはなりません。

見える化で失敗を防ぐ!進捗管理・情報共有のベストプラクティス

どれほど体制を整えても、進捗や状況が見えなければマネジメントは破綻します。ここでは、オフショア開発において進捗や情報を可視化し、プロジェクトを円滑に進めるためのポイントを紹介します。

ガントチャートやタスクボードを活用する

プロジェクト管理ツール(Backlog、Jira、ClickUpなど)を活用し、進捗をガントチャートやカンバン方式で見える化しましょう。チーム全体が「今どこまで進んでいるか」「誰が詰まっているか」を共有できる体制は、リモートチームにおいて非常に重要です。

デイリースタンドアップで連携を強化する

日次での簡単なスタンドアップミーティング(オンライン含む)を導入することで、各メンバーの進捗・課題を早期に把握できます。特にブリッジSEを通した情報収集は、現地との時差や言語の壁を越える手段として有効です。

進捗報告テンプレートで報告品質を標準化する

「報告書の質にムラがある」「情報の粒度がバラバラ」そんな状態では管理側も疲弊してしまいます。そこで、進捗報告フォーマットをあらかじめ定めておくことが効果的です。テンプレートには、以下のような項目を含めましょう。

  • 完了タスクと未完タスクのリスト

  • 進捗率(%)

  • ブロッカー(障害要因)

  • 次の予定

▶ 詳しくは【オフショア開発で重要なのは進捗管理!効率的に進める方法とは】をご覧ください。

 

英語力ゼロから始めるオフショア開発

トラブルを未然に防ぐためのリスク管理体制のつくり方

オフショア開発では、距離や文化の違いからトラブルが起こりやすくなります。たとえば「想定していた進め方と違う」「突然のメンバー交代があった」「仕様変更が伝わっていなかった」といった問題は、よくある失敗パターンです。これらを防ぐためには、マネジメント体制に「リスク管理の仕組み」を組み込んでおくことが不可欠です。

予測されるリスクを事前に洗い出す

リスク管理の第一歩は「どんな問題が起こり得るか」の洗い出しです。たとえば以下のような観点で整理するとよいでしょう。

  • 開発メンバーの急な退職や交代

  • 時差によるコミュニケーションの遅延

  • 言語や文化のすれ違いによる誤解

  • バージョン管理の不備によるデータ損失

プロジェクト開始前にこうしたリスクをリストアップし、発生確率や影響度を評価しておくことで、対策の優先順位が明確になります

体制と責任を明確化して対応フローを設計

リスクを洗い出した後は、それぞれの対応策を「誰が・いつ・どのように」実行するかを明確にします。

  • メンバー交代時には国内PMが対応するのか、ブリッジSEが代替人員を確保するのか

  • 進捗の遅れがあった際のエスカレーションフロー

  • 仕様変更が発生した場合の承認ルート

対応フローが設計されていないと、いざという時に混乱が生じ、被害が拡大する可能性があります。

契約書にリスク管理の役割と責任を明記

トラブル時の責任の所在を明確にするには、契約書に「マネジメントの範囲」と「対応責任の分担」を明記することが大切です。たとえば以下のような条項が有効です。

  • 「週次レポート提出の義務化」

  • 「仕様変更の際は書面合意を必要とする」

  • 「遅延時の対応責任をどちらが持つか」

このようなことを記載しておけば、契約トラブルの未然防止にもつながります
また、オフショア開発における契約の種類や締結方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

▶ 詳しくは【オフショア開発における契約形態の種類と締結方法を具体的に解説】をご覧ください。

リスク対応後の振り返りとナレッジ共有

一度トラブルが発生した際には、「なぜ起きたか」「どうすれば防げたか」を必ず振り返り、ナレッジとしてチーム全体で共有しましょう。

  • 定例会議でのリスク共有タイムの設定

  • チャットツールでの情報蓄積とタグ付け

  • トラブル事例集の作成と更新

このようにして「予防 → 対応 → 振り返り」のサイクルを回すことが、リスク耐性の高いオフショア開発チームづくりにつながります。

まとめ

オフショア開発においては、マネジメントの中でも特にリスク管理の仕組みをどう設計するかが、プロジェクトの成功を左右します。リスクの洗い出し、対応体制の構築、契約書への明記、そしてナレッジ共有まで、事前準備と継続的な改善が欠かせません。リスクはゼロにはできませんが、管理できる状態にすることが重要です。現場に任せきりにするのではなく、国内側で管理・設計された仕組みを持つことで、トラブルの芽を摘み、信頼性の高い開発体制を築くことができます。検討中の方、もっと詳しく知りたい方はぜひ一度プロにご相談ください。
マネジメント設計から体制構築まで、貴社の課題にあわせた最適なオフショア開発のご提案が可能です

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