オフショア開発はベトナムがいい？メリットや課題、現状、他国との比較｜オフショア開発ナレッジメディア|海外のリソースを活用し中小企業へ技術革新を

ソフトウェア開発のコスト削減や人材確保に悩んでいませんか？

オフショア開発は、これらの課題を解決する有効な手段として注目されています。特にベトナムは、豊富なIT人材と低コストで日本企業にとって魅力的な選択肢となっています。

本記事では、ベトナムを中心としたオフショア開発の特徴や現状、他国との比較、成功のポイントなどを詳しく解説します。

1. オフショア開発とは

オフショア開発は、自国外の企業にソフトウェア開発を委託する手法です。主な対象国は、ベトナム、インド、中国、フィリピンなどのアジア諸国です。これらの国々のIT人材を活用し、ソフトウェア開発プロジェクトを進めていきます。

オフショア開発の特徴をよく理解するには、他の開発手法と比較するとわかりやすいでしょう。たとえば、ニアショア開発との違いを見ていきます。ニアショア開発は、地理的・文化的に近い国や地域に開発を委託する手法です。

オフショア開発ほど距離が離れていないため、時差の影響が少なく、比較的コミュニケーションが取りやすいという特徴があります。このような開発手法の違いを踏まえてオフショア開発を検討しましょう。

ここからは、ベトナムのオフショア開発の特徴として、メリットと課題を紹介します。

ベトナムのオフショア開発のメリットとして、第一に挙げられるのは、豊富なIT人材です。ベトナムでは毎年約5万人ものIT卒業生が輩出されています。この数字は日本企業にとって大きな魅力でしょう。エンジニアの年齢が若く、意欲的な人材が多いのも特徴です。

次に低コストが挙げられます。ベトナムの人件費は日本の1/3〜1/4程度です。ただし、安さだけを追求するのは危険なので、品質とのバランスを考慮しましょう。

さらに、ベトナムの親日的な国民性も大きな利点です。日本語学習者が増加しており、日本文化への関心も高まっています。これは日本企業とのコミュニケーションをスムーズにする要因となるでしょう。

ベトナムオフショア開発には課題もあります。最も大きな障壁は言語の壁であり、英語力や日本語力の不足が指摘されています。ただ、この点は徐々に改善されつつあり、日本語教育に力を入れる企業も増えています。翻訳機能や翻訳ツールを使うことも解決策になるでしょう。

品質管理も課題の1つです。開発プロセスの標準化が遅れているケースがあります。これは日本企業の求める品質水準との齟齬を生む可能性があります。しかし、多くのベトナム企業が改善に取り組んでいるのです。

最後に、人材の流動性の高さも課題として挙げられます。転職率が高く、プロジェクトの途中で人材が入れ替わるリスクがあります。

ベトナムのIT産業は、目覚ましい成長を遂げています。年間10%以上の成長率を誇り、アジアの新興IT大国として注目を集めています。

この成長を支えているのが、充実したIT人材の育成体制です。政府主導の教育プログラムが積極的に展開されており、その効果が高まっています。

特筆すべきは、大学と企業の連携であり、理論と実践のバランスが取れた人材育成が行われています。

たとえば、ハノイ工科大学では、日本のIT企業と提携し、実践的なカリキュラムを導入しています。また、学生たちは最新の技術トレンドを学びながら、実際のプロジェクトにも参加します。このような取り組みが、即戦力となる人材を生み出しているのです。

政府の取り組みも、IT産業の発展に大きく貢献しています。デジタル経済発展計画が策定され、IT産業への支援策が次々と打ち出されています。税制優遇や補助金制度など、企業にとって魅力的な施策が豊富です。

特に注目すべきは、ホーチミン市近郊に建設されたクアンチュン・ソフトウェアシティです。ここは、IT企業の集積地として機能し、イノベーションの拠点となっています。このような環境のなかでベトナムのIT市場は急速に拡大しています。

ここからは、ベトナムと他国のオフショア開発の特徴を比較していきます。